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転落 [Book]

後味は悪い。なんだろ、こんな人生もあるのかなあと。たしかに日本人が1億人以上いるからにはその数だけの人生があって、自分なんてほんと狭いコミニティの中しかわかっていないから。

一流大学を出て結婚したものの、子供を失い、離婚して、無職になり、ホームレスになり・・

絵に書いたような「転落」。それだけでは話にならないから、ミステリ自タテにしてますが、帯にあるような「ラストの衝撃」はミステリ読み慣れてしまったせいか、驚きはうすく、でした。

それより、話の中の日常の風景が印象的。介護老人専門の病院の実態。そこで働くナースや栄養士の日常。ギリギリの生活をしている様子が鮮やかに描かれています。その心理描写が後味を悪くしている要因だとは思います。実際、途中で気持ち悪くなりやめようかと思ったのですが、結構なスピードで読み終えてしまいました。

この作者の作品は初めてでしたが、「厄災」や「せんーさく」とか読んでみようかな。後味悪いのにまた読みたくなるのは、何かがあるのでしょう。

ちなみにこの方は映島巡名義でFFXiiiの公式小説執筆なさったりしているそうです。

転落 (講談社文庫)

転落 (講談社文庫)

  • 作者: 永嶋 恵美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/04/15
  • メディア: 文庫


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