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恋 [Book]

直木賞受賞作にもあたりはずれがあります。個人の好みの問題もあるとは思いますが。

冒頭主人公の葬儀から始まり、その回顧が続きます。刑事コロンボ風に、最初に結末を披露するのですが、謎が沢山あって、どうしてこの主人公が殺人者になったのだろうと、一気に興味がわくつくりになっています。

主人公に感情移入しつつ読むと、客観的にはありえない異常な状況でも、異常と感じなくなる素晴らしい、文章力。あらためて、素で考えると、殺された人って殺されるようなことをしましたか?と思うのですが、読んでいる時は、そいつが諸悪の根源のように感じてる。

あとがきで、小池さんが2年くらいどん底のときに、バッハのマタイ受難曲を聴いている最中に突然神が降りてきたごとくにこの小説の構想を思いついたそうです。

見事な作品。これは直木賞でしょう。

恋 (新潮文庫)

恋 (新潮文庫)

  • 作者: 小池 真理子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2002/12
  • メディア: 文庫


マタイ受難曲(スピーカのマークが×になっていたら、クリックして音量を調節ください。音が出ます)


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コメント 1

アールグレイ

バッハも好きで時々流して聴いたりします。
音楽の力は、偉大ですね。
by アールグレイ (2012-06-13 11:31) 

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