恋 [Book]
直木賞受賞作にもあたりはずれがあります。個人の好みの問題もあるとは思いますが。
冒頭主人公の葬儀から始まり、その回顧が続きます。刑事コロンボ風に、最初に結末を披露するのですが、謎が沢山あって、どうしてこの主人公が殺人者になったのだろうと、一気に興味がわくつくりになっています。
主人公に感情移入しつつ読むと、客観的にはありえない異常な状況でも、異常と感じなくなる素晴らしい、文章力。あらためて、素で考えると、殺された人って殺されるようなことをしましたか?と思うのですが、読んでいる時は、そいつが諸悪の根源のように感じてる。
あとがきで、小池さんが2年くらいどん底のときに、バッハのマタイ受難曲を聴いている最中に突然神が降りてきたごとくにこの小説の構想を思いついたそうです。
見事な作品。これは直木賞でしょう。
マタイ受難曲(スピーカのマークが×になっていたら、クリックして音量を調節ください。音が出ます)
羊をめぐる冒険 [Book]
村上春樹初期の青春3部作、または鼠3部作のなかの3作目。1Q84やカフカ、ねじまき鳥、世界の終わりへつながっていく感じが出ています。舞台は北海道。不思議なムラカミワールドへどうぞ・・
春樹さんの小説は音楽と切って切り離せないところですが、なんとなく調べていたら、凄いサイトを発見しました。このサイトを作った方は素晴らしいです。で、紹介してしまいます。
http://murakamiharuki-music.jimdo.com/
これらをipodに入れて聴きながら読書したら最高・・
ジウ [Book]
悪人 [Book]
悪人読みました。映画はみていなかったのですが、文庫の表紙が妻夫木さんと深津さん。で、どうしても読んでいてイメージが付いてまわってしまいました。内容は秀逸。主人公の最後の態度に容疑者Xの献身的なにおいを感じ・・・
人は1人では生きられず、基本的には寂しい生き物。さみしいから人は人を求めるし、不器用な求め方が不幸な結果を招いて、悪い方へとスパイラルしていく。その流れは何をしても止められず、いきつく先には何も無く。
1人1人が本当に実在していそうな現実感があり、終始重たい雰囲気を感じながら読み進めていきます。後にずっしりと残るよい作品でした。
カラスの親指 [Book]
ひと月くらい前に読み終えました。で、映画化のNews知ったのが1週間くらい前。
道尾さんの話が映画化されるのは、これが最初。本をよみおえた時点で、もしかしたら映像化を意識して書いたのかな?というくらいドラマ的でした。しっかりいつもの道尾イズムの騙しは効いているので、小説を読んでいないなら、 読まずに映画を見たほうが楽しめることと思います。
読んだあとに映画化の詳細を知ってよかった。逆だと、どうしても読んでいるときにタケさんと阿部寛がダブッテしまうだろうし。映画は間違いなく成功するだろうなあ。
よくできていて、面白い作品でした。少しでも中に踏み込むとネタバレになるので、残念。
親指はすべての指と楽に触れることができるが、人差し指単独で小指と触れるのは触れにくく、親指でアシストすると楽に触れることができる。家族的メタファー、どう思いつくのか、作家ってすごいなあ。
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
- 作者: 道尾 秀介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/07/15
- メディア: 文庫
ガーデンパーティ [Garden]
もう花はほとんど中休みではありますが・・
ジャスミーナが頑張ってくれています。
クリーミーエデン
ジュビリーセレブレーション
エブリン
ガーデンオブローゼス
アンブリッジローズ
ルージュピエールドロンサール
テスオブザダーバービルズ
プリンセスダイアナ(クレマチス)
テッセン(クレマチス)
そして、ジェントルハーマイオニーに小さな蕾が・・
今日2階から [Garden]
2階から、ちょっと遠目にみるとまだそれらしく見えますが、すっかり第一陣は終焉し、2番花に向けた準備をしていかないと。花ガラ摘みとか、軽くお礼肥とか。
今日の景色を残しておきます。
クロッカスローズはまだ少し一番花のつぼみもあります。
すっかり開いてしまった、ブランピエールドロンサール
女たちは二度遊ぶ [Book]
パレードから、吉田修一。
短編集。ほんとうに短編で、1作20ページ程度が11作。しかし、パレードに続き(といっても自分がその順番で、しかもまだ2作目なので、その他膨大な吉田修一の著書はどうだか不明ですが)深い。なんというか、登場人物にリアリティーがある。これまた映像化されているらしく、そちらも気になります。近いうちに悪人とパークライフを読まねば。
BeeTVドラマ 女たちは二度遊ぶDVD BOX (DVD付) (<DVD>)
- 作者: 相武紗季
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2011/02/03
- メディア: 大型本
パレード [Book]
おいしいコーヒーのいれ方 Ⅰ〜Ⅹ [Book]
先日通勤往復の1週間で10冊続けて読んでみました。数年前に読もうと思っていたら、1年に1冊ペースで書かれていて、まだ完結していなかったので、尻切れになるのがイヤでおいておきました。
いや、あっという間に読めます。吉田修一さんは男性なのに女性の心理描写が秀逸ですが、村山由佳さんは女性なのに男性の心理描写が秀逸。ちょっと色は違いますが。吉田さんが描く女性は唯川さんが描く女性に近いような気がします。
今まで「嫉妬」という気持ちに無縁だった主人公の悲しいほどのジェラシーが丁寧に描かれています。続けて読んでしまうと、途中で食傷気味になりかけましたが、とりあえずファーストステージは完了。セカンドステージも6冊くらい出ていますが、現在進行形らしく、しばらく待ち、ですね。個人的には星野さんファンですが、最後の方で全く登場しなくなってしまったので、どうなっていくのか心配です。セカンドステージに登場しているのかな。
おいしいコーヒーのいれ方 (1) キスまでの距離 (集英社文庫)
- 作者: 村山 由佳
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1999/06/18
- メディア: 文庫