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落下する夕方 [Book]

小説は読者が想像するもの。本作は主人公の女性が恋人の恋人と同居することになってしまい(その時点で恋人とは別れているのですが)、困惑しつつもその女性に惹かれていくというお話。

何ゆえに、自分の恋人を奪った女性に惹かれてしまうのか?読み進むとなんとなく共感してしまうものの、その女性が何者かということが、ほとんど書かれていないので、そこは想像するしかないのです。自由奔放な感じであるとともに、常に暗いなにかを背負っているような・・

映画化もされたようです。見てはいませんが、原田知世さんが主演。年齢を重ねても透明感が失われない不思議で、すばらしい女優さん。DVDレンタルせねば。

ちなみにあとがきで、江國さんが私の心は夕方にいちばん澄みます。冷静になれて、大切なことは夕方に決める、そうです・・

落下する夕方 (角川文庫)

落下する夕方 (角川文庫)

  • 作者: 江國 香織
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1999/06
  • メディア: 文庫


落下する夕方 [DVD]

落下する夕方 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • メディア: DVD

きらきらひかる [Book]

男性と女性の視点から交互に語られる形式。ひとり冷静と情熱のあいだのような。ストーリは全く異なりますが、主人公の女性は、うつでアル中という設定。しかし、アル中って感じは全くしないし、うつで精神的に不安定なところはあるものの、ノルウェイの森のような死の感覚はなく、一般にも普通に隣にいて不思議でない感覚の女性。むしろその女性の夫でホモの医師が、潔癖性で根っから善人で優しいタイプに描かれているのが、なんか不自然。ホモの相手役の男性が魅力的。

とまあ、こんな設定なのですが、江國さんの例によって不思議な感覚を抱かせる文体と、女性がすごく魅力的に描かれていて好きな作品です。どんな人でも精神的に不安定になる要素は持っていて、それが表面に出ればうつとなるのでしょうが、逆に表面に素直に出せるヒトって、それが魅力となりえることがあるんだなあと感じました。「こころがしわしわになった」という表現をはじめ、引用したくなる言葉が満載でした。

きらきらひかる (新潮文庫)

きらきらひかる (新潮文庫)

  • 作者: 江國 香織
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1994/05
  • メディア: 文庫



Mr.Children詩集「優しい歌」 [Book]

疲れたときに、開く詩集。詩集ってこれだけしかないので、かなり貴重です。元気がでます。

ミスチルは、メロディーもよいのですが、やっぱり詩がよいです。偉大なるマンネリでかまわない。変わらずに歌い続けてメッセージを届けて欲しいです。

Mr.Children詩集「優しい歌」

Mr.Children詩集「優しい歌」

  • 作者: Mr.Children
  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 2001/11/27
  • メディア: 単行本



ブクログ [Book]

ブログに掲載していない本も沢山あり、履歴をブクログでとってみることにしました。左下の本棚から遊びに来ていただければと思います。


みぞれ [Book]

こちらは短篇集。重松さんは短篇集で直木賞(ビタミンF)受賞されたように、短編もよいです。

特に気に入ったのが「ひとしずく」ワインの最後のひとしずくのことですが、主人公が年上で能天気な義弟にキレたところで拍手!全編をとおして夫婦って・・・考えさせられるし、考え方しだいなんだと。

ありそうで、あることを見出して文章にする。重松さんのさりげなく素晴らしい才能を感じる本でした。

みぞれ (角川文庫)

みぞれ (角川文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
  • 発売日: 2008/07/25
  • メディア: 文庫



ラムズイヤーとカスミソウ [Garden]

ラムズイヤーというハーブをご存知でしょうか?(リンクを貼らせて頂いたのはAfterGardeningという盲点にスポットを当てた秀逸な方のHPです)

以前にも紹介しましたが、もう一度[眼鏡]

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食用にはならないのですが、まさに羊の耳(実際羊の耳に触れたことはありません)のような、フニフニ感が・・・

紫色の花も付けます。バラがおやすみでも元気に生育してくれています。

オマケにカスミソウ。フラワーショップでは定番の花です。最近はスプレーで色をつけたり・・でもやはり自然に咲いた白が一番。苗を購入して花が咲くまで2年かかりました。

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とんび [Book]

重松清「とんび」。NHKで2回連続のドラマで放送されていたのですが、見逃してしまいました。先週、モンテカルロ国際TV祭で最優秀賞を受賞。おめでとうございます。

重松ワールド、これも親子のお話。子供が生まれ、成人し、結婚するまでの人生を親と子の目線から丁寧に描いています。とんびが鷹を産むのとんび。親一人子一人なのですが、そこには多くの人たちのささえ愛があり、そんな素晴らしい人たちが集まってくるのだから、決してとんびではないのです。たてまえや偽善のつきあいでは、長続きしない人との関係。心から相手を信じきっているので、時に乱暴な態度や言葉が出てしまう。でも本音で付き合えるってそういうことだから、そんな相手は一番大切にしている。舞台は広島ですが、主人公の子供が結婚して1人になり、定年を迎え、子供の生活圏である東京で一緒に住むかどうかの葛藤で、地元を選んだのも、そんな大切な人たちとの関係を選んだから。

朝の電車でラスト近くを読んでいたら、グググッときてしまいました。

とんび (角川文庫)

とんび (角川文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/10/25
  • メディア: 文庫



13階段 [Book]

たぶん、今ミステリーで旬な作家の1人である高野和明。ジェノサイドがまだ文庫化されていないので、デビュー作となった本書から手にとってみました。無実の死刑囚を救い出す、という斬新とは言えないテーマ。ただし、テンポがとてもよく逆転につぐ逆転と、映画的なストーリ。

デビュー作で江戸川乱歩賞?本当にデビュー作なのかと経歴みたら、脚本家を10年されていたそうで、納得。2001年の作品を2011年に再文庫化とともに、10年後のあとがきと題して巻末に執筆されています。ご自身が小説を書くときのキモのようなことを堂々と披露されているのにびっくりです。

読んでいる途中で、確かこの本5年位前に読んでいる!!と気づいたのですが、ストーリは全く覚えていませんでした。刑務所で死刑になっていく囚人や執行のしくみ等のくだりで、以前間違いなく読んだことを思い出し、その描写が印象的だったのでしょう。

ということで、記憶には残っていませんでしが、一気読みできるとても面白い小説です。2003年に映画化されていたようです。



マグマ [Book]

夕刊に、原発再稼働のNewsが・・ 

大飯原発の再稼働を政府決定

この小説が書かれたのが2006年2月。その5年後に震災で、福島の原発が爆発。本書は、知人から頂いた何冊かのひとつだったのですが、震災後だったので、あまり見もしないで震災に影響して書かれたのかな・・と勘違いしていました。

今日読み終えたところで、冒頭のNews。色々なタイミングが合致したのは本当に偶然です。

主人公はハゲタカと揶揄され恐れられる外資系投資ファンド会社に勤務する若手エリート女性社員。原発に変わる発電手段として、地熱発電がクローズアップされています。「大型経済小説」ということですが、夫婦愛、家族愛、なにより仕事に対する情熱を書き上げていて、久しぶりに夢中になって読み終えました。

基本的に小説は面白ければよく、細かい詮索はしません。面白いだけで十分なのですが、たまに本作のように「感動」を与えてくれる作品に出会うことがあるので、読書は止められないのですね。

「賞」をもらっていなくても、こんな素晴らしい小説があるんです。おすすめの一冊です。

巻末の池上彰さんの解説も相変わらずわかりやすいです。

6/10からwowwowで連続ドラマ化されているようです。

マグマ (角川文庫)

マグマ (角川文庫)

  • 作者: 真山 仁
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2009/08/25
  • メディア: 文庫



ラベンダー祭り [Garden]

近所でラベンダー祭りというのをしているので、生憎の天気ではありましたが、ちょっとお出かけ。

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由来は、フランス南部のプロバンス地方で開催されるラベンダーの収穫祭のようです。

日本でも富良野や信州でされているようですが、ここは佐倉ラベンダーランドということで。

帰りにおかむらさきの鉢植えを購入しました。雨で人が少なかったのと、鉢植えが、最後のひとつだったので、2000円のところ、1500円にしていただきました[わーい(嬉しい顔)]

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それにしても、ラベンダーランドとは凄いネーミングです。


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